キルトはアメリカではもともと使うものとして作られてきました。その目的を大切に守りながらも新しいスタイルにチャレンジしているのが、現在世界中で絶大な人気を誇る男子キルター、ルーク・ヘインズです。
好きなように作っていると思いきや、アメリカの母たちが古着をはぎ合わせて家族を温めるために縫ったというキルト本来の意味を重要視し、そこから外れないことを心がけているのだそう。今回は、彼の作品のうち、「ダブルウエディングリング」に焦点を当てて、Q&A方式でインタビューしました。

「Dark Diamonds」
本藍で染めたキルト。
素地はすべて古着。
質問(以下Q)「なぜこのキルトを作ったのですか。使うため、飾るため?」
ルーク(以下A)「大変伝統的な『ダブルウエディングリング』のキルトをこれまで作ったことがなかったからです。伝統パターンへの探求です。一枚は自分で藍染をして色をコントロールしてあります。布とキルティングが重要な要素として見る人の眼に映るようにしたいと思ったのでキルティングはごくシンプルにしました」
Q「結婚に結びつく意味のあるキルトですがそれを意識しましたか」
A「無関係です。このパターンで実験してみたかったのです」
Q「実験の結果は如何でしたか」
A「曲線のパターンは縫うのが難しいけれど完成した時に面白みが出ます。実際、自分にとっては複雑なピーシングでしたが、やっていくうちにそれが縫えるようになりましたし、それをアートとして仕上げられることも示せたと思います」
Q「キルトを創作するようになったのはなぜ」
A「もともとは建築を専攻してきたのですが、キルトとの共通点がたくさんありました。キルトを作る時には人間の大きさを考えながら作るのが好きです。機能ということも考えます。
学校卒業後は建築の仕事をしてきたのですが、ある時ギャラリーのためにキルトを作るようになり、それからはキルト作家が職業になりました。キルトを初めて作ったのは子供の頃でした」
Q「素材は」
A「すべてのキルトは古着から作ります。『ダブルウエディングリング』の素材は五十枚のシャツです。裏は古いシーツ。昔のキルトの本来の形をこのように守っています」

「Shades of Indigo」
自分の着ていたシャツが素材。中綿はウール。

ルーク・ヘインズ。
アメリカのキルト作家。
キルト時間6号掲載記事