回のチェコへ旅をしたときに出合った美しい品々をご紹介するミニシリーズの3回目。
前々回、チェコのガラスボタンをご紹介した記事はこちらから
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前回、チェコの藍染布をご紹介した記事はこちらから
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2.ヴェルケー・ビーロヴィツェ(モラビア地方)
VELKÉ BILOVÍCE
ワインの街のとびきり可愛い民族衣装
チェコはボヘミア地方とモラビア地方に分かれ、それぞれが異なる文化を伝承してきたが、民族衣装についてもデザイン、刺繍や布使いが各地で様々でとても魅力的である。
中でも可愛らしいと聞いたのがモラビア地方。
膨らんだ袖やプリーツをめいっぱい施したスカート。
頭には花やリボンを山盛りに飾り、男女ともに不思議な雰囲気の華やかさがある。
モラビアには六つの地域があり六つの特徴的な衣装があるそうだ。
スロバキアとオーストリアの国境にほど近いモラビア地方ヴェルケー・ビーロヴィツェに立ち寄ったのは民族衣装を見せてくれるというヘダ・オルチコバーを訪問するため。
この地は温暖な気候のおかげで上質のワインを産し、昔から収穫時にはお祭りが盛大に行われてきた。
人々は民族衣装を身に着けて踊りその伝統は大切に守られている。
訪問した時期はお祭りではなかったがヘダは先代から受け継いだシャツやレース飾り、靴、赤ちゃんの衣装や花を盛った頭飾りを広げて見せてくれた。
「既婚女性は長袖。未婚女性は半袖にミニスカートに刺繍入りブルマー。
未婚男性は刺繍入り黄色いスボン」が基本で、未婚男女はお祭りでパートナーを見つけることも地域の伝統だそうで、実際にヘダもそこで夫に出会った。
モラビア地方ではお祭りが年間通してどこかの村で行われるので、他の地域に自分たちの地域の衣装を着けて表敬訪問することも多いそう。
とにかく民族衣装を常に着ている人たちでそれが誇りとなっている。
キルト時間13号(2018年夏号)掲載記事