しつけの掛け方

しつけ掛け
パッチワークでの「しつけ掛け」とは、キルティングをする前に、ピーシングした表布とキルト綿、裏打ち布の3層の重なりがずれないように仮どめすることを指します。3層をきちんと固定することで、キルティングをしやすくするだけでなく、作品の歪みを避けることができます。

必要な道具

A ガムテープ
B 洗濯バサミ(大)
C プラスチック製のスプーン
D しつけ糸
E キルトしつけピン(クロバー株式会社)
F スプレーボンド505(日本バイリーン株式会社)
その他/しつけ針

ABはテーブルにキルトを固定するときに、CDはしつけ掛けをする際に使います。EFは、主にミシンキルティングの場合に使用します。

① しつけ掛けの前に3層を仮固定する

仮どめする前の3層がずれないようになるべく動かさず、全体を広げて作業するのが望ましいですが、それが難しいときは、ここでご紹介するようにテーブルを使って作品を分割する方法をおすすめします

【1】
大きめのテーブル(腰の高さ程度で、作品4分の1以上が広げられるサイズ)の上に、裏を上にした裏打ち布をテーブルの角に合わせて置き、キルト綿を引っ張らないように静かに重ねて洗濯バサミでテーブルに固定する。
※しつけ針でテーブルに傷をつけることがあるので、気になる場合は裏打ち布とテーブルの間に板をはさみましょう。

【2】
キルティングラインを印つけした表布をキルト綿の上に静かに重ね、裏打ち布とキルト綿がずれないように洗濯バサミをとめ直して、テーブルに固定する。続けて「分割してしつけ掛け」を参照してしつけ掛けする。

Point スプレーボンドを使う

ミシンでキルティングをする場合、しつけ糸がミシンに引っ掛かかることがあるので、スプレーボンドでキルト綿と裏打ち布を接着し、しつけ糸の部分を減らします。テーブルでしつけを掛けるときも、同様に接着しておけば安心して作品を動かすことができます。

【1】
テーブルの角に合わせてキルト綿を置く。テーブルの上にのせている面全体にスプレーボンドを吹きつける。

【2】
角を合わせて裏打ち布を外表に静かに重ね、シワが寄らないように接着する。キルト綿ごとずらして他の部分も同様に接着した後、上の【1】〜【2】を参照して、テーブルに仮固定する。

3層をしつけ掛けする

ここでは、どんなサイズのものにも合う、格子状にしつけ掛けする方法をご紹介します。

全体を広げてしつけ掛け

全体を広げ、フラットにしてしつけを掛けるのが基本です。広い場所で3層を重ねた後、上図の順番で中心から外側に向かってしつけ掛けをしましょう。格子の間隔は、大きい作品は10㎝平方、小物は5㎝平方以内にします。

分割してしつけ掛け

テーブルの面積で作品を分割し、作品の中心を基準にしつけ掛けをします(上図参照)。テーブル分のしつけが終わったら、作品を静かにはずし、続けてしつけ掛けをしていない面をテーブルに仮固定します。これを繰り返して作品全体にしつけ掛けします。

Point ミシンキルティングの場合
20㎝平方の格子の間隔でしつけ掛けをし、その内側2ヶ所にしつけ用安全ピンで3層を固定します。

縫い方(共通)

針にしつけ糸を通して玉結びを作り、中心側から縫う。縫い終わりはしつけ糸をはずしやすいように、ひと針返し縫いをして玉どめを作らずに糸を切ります。

【1】
針を表から入れ、いちばん下の裏打ち布までをすくって表に出す。針を出す位置のきわにスプーンの先を押しあて、針先をスプーンですくうように押し出すのがコツ。

【2】
縫い目は表側に3㎝、裏側に0.5㎝程しつけ糸が渡るような間隔で。表に出る針目が細かいとキルティングの邪魔になり、粗いと3層がしっかり固定できないので注意。

 

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