キルティングの仕方

キルティング
キルティングとは、ピーシングやアップリケをした表布に、やや大きめに裁ったキルト綿と裏打ち布を重ね、3層がずれないようにステッチすることです。縫い目が沈むので、パッチワークしたブロックやアップリケモチーフを立体的に見せることができ、模様をステッチすれば、装飾的な効果も得られます。

必要な道具

●キルティング針
キルティング用または、メリケン針8、9番の細くて短い針を使用する。

●キルティング用糸
キルティング用または、ロウ引きした50〜60番のカタン糸を使う。色は表布と同色が基本。

●シンブル
利き手と受け手の中指、または人差し指にはめる。金属製や革製、プラスチック製があり、指に合うものを選ぶ。

●フープ
キルティングする部分を固定し、ステッチしやすくする木製の枠。直径30〜40㎝が使いやすい。

1. キルティング前の下準備

【1】
表布の表側に、鉛筆または水などで消せるタイプのペンを使ってキルティングラインを描く。直線以外のデザインは、左図のように図案の下に手芸用複写紙と表布を重ね、インクの出なくなったボールペンなどで図案を写す。

【2】
裏打ち布の上に、キルト綿と表布を静かに重ね、中心から外側に向かって格子状にしつけ掛けをする。格子の大きは、サイズの大きな作品は一辺10㎝、小物は一辺5㎝以内で。
※キルト綿は主に中厚を選ぶ。作品に合わせて仕上がりが軽い薄手と、丈夫に仕立てられる厚手を使い分けるのが一般的。

【3】
フープにセットする。こぶしで中央を軽く押して少しゆるめに張ると縫いやすい。また、サイズが小さいときは、図のように周囲に力布を接いでフープからはずれないようにする。

2. キルティングの刺し方

ここでは、どんなサイズのものにも合う、格子状にしつけ掛けする方法をご紹介します。

縫い進め方
針を上から垂直に刺して受け手のシンブルで受ける。受け手のシンブルで針を上にあげながら利き手の親指で表布を押し、針先を表布の上に出す。

【1】
キルティングは作品中央部から。糸を針に通して糸端を玉結びし、図案線より少し離れた位置に針を入れ(1入)、図案線に針を出す(2出)。

【2】
糸を引き、玉結びを表布の下に隠してひと針返し縫いする。続けて図案線上を1〜2㎜ほどの縫い目で縫う。縫い終わりもひと針返し縫いをし、玉どめを表布の下に引いて隠す。

3. キルティングの例

① 格子キルティング
3層を均等に縫いとめられるので、面積の広いボーダーや空白部分などに用いられることが多い。

② 好みの図案をステッチ
ピースを均等に押さえられる図案を選ぶのがポイント。模様が浮き上がるので装飾的要素が強くなる。

③ ピースの内側にステッチ
ピースの接ぎ目の内側を刺すデザイン。縫い代を押さえられるだけでなく、ピースの形を強調することができる。

④ 落としキルティング
ピースやアップリケモチーフのきわを刺す方法。縫い代を片倒しにしておき、縫い代を倒していない接ぎ目のきわをステッチする。ふっくらとした立体感がでる刺し方。

⑤ パターンと関係なくステッチ
パターンの分割とは関係なく、均等幅でステッチするとパターンの接ぎ目感が薄れ、フラットな印象に(図は同心円のキルティング)。

 

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