キルト用語集
パッチワークの基本用語をご紹介します。キルトダイアリーでは、この用語集に準じて作り方を解説しています。
目次
あ行
合印
布をはぎ合わせる際に、双方がずれないようにするための目印。
アウトラインキルティング
ピースの接ぎ目やアップリケモチーフのきわから0.2cm〜0.5cm離れた位置にキルティングする手法。
アップリケ
布をまつりつける手法。主に、縫い代を内側に折り込みながら土台布に奥たてまつりで縫いつける。
当て布
ファスナーの端をくるんだり、縫いつけた持ち手の縫い目を隠すために、後から上に重ねて縫いつける布。
アーミッシュキルト
現在は北米で暮らすキリスト教の一派、アーミッシュの人々が作るキルト。規律を重んじながら厳格な規則のものに自給自足をして暮らす信条を反映し、布はウールかコットンの無地のみ。大胆な幾何学デザインと豊かなキルティングを特徴としている。
アルバムキルト
何人かでブロックを持ち寄り、それをまとめたキルト。代表的なものに、フレンドシップキルト、サインキルト、記念キルトなどがある。
アンティークキルト
作られてから100年以上経過したキルト。
裏打ち布
キルトの裏側となる布。パッチワークキルトは、基本的に表側から表布(トップ)、キルト綿、裏打ち布の3層から成る。
裏布
表布とキルト綿のみでキルティングするときに、周囲を始末する前に裏側に当てる布。
絵キルト
布を使い、アップリケやピーシングなどで絵画的に風景や物の形状を描いたキルト。
エコーキルティング
モチーフの周囲に等間隔でキルティングする手法。波紋のように仕上がることが特徴で、ハワイアンキルトでよく用いられる。
エンブロイダリーキルト
エンブロイダリー(刺繍)を主役にしたキルト。
オールオーバーキルティング
ピーシングやアップリケなどにとらわれず、全体をひとつのデザインとしてキルティングをすること。
奥たてまつり
アップリケやバインディング(パイピング)をするときのまつり縫いの一種。針を縦に入れ、縫い目が表から見えないように奥側をまつる。
落としキルティング
ピースやモチーフのきわにキルティングする手法。
表布(トップ)
キルトの表側になる布のこと。ピーシングやアップリケで作ったブロックやラティス、ボーダーを接いだものや1枚布など、さまざまな形態がある。
か行
返し口
表と裏を中表に縫い合わせた後、表に返すために残す「あき」。
返し縫い
縫い目を強化するために、既に縫ってある縫い目の上を反対に向けて縫うこと。縫い始めや縫い終わりは1~3目、角などは1目返すのが一般的。ミシン縫いの場合は、縫い始めと縫い終わりを引き返して縫うこと。
かがる
布端がほつれないように、巻きつけながら縫う縫い方。
額縁仕立て
四角形の作品の縁をテープで始末する際、角の部分でテープを額縁のようにたたんで仕上げる手法。
風車(かざぐるま)
縫い代の倒し方のひとつ。縫い代が集中する部分では縫い代の厚みを均一にするために、印どまりで縫った後に縫い代を風車のように一方向に倒す方法。
型紙
布を裁つ時に使う型としてきった紙のこと。厚紙の他に薄手のプラスチックシートを用いることが多い。
片倒し
縫い代の倒し方のひとつ。縫い目を境に、縫い代をどちらか一方に倒す。
カットアウトアップリケ
折り紙のように折りたたんだ布をカットして左右対称のモチーフを作り、アップリケする手法。ボルチモアアルバムキルトやハワイアンキルトに使われることが多い。
カテドラル・ウインドウ
折り紙のように折った土台布をかがり合わせ、かがり目に配色布を重ねて、その上から折り返した土台布をまつる手法。大聖堂の窓のように見えることからこの名がついた。
仮どめ
縫い合わせる2枚をまち針や接着剤、両面接着シートなどを使って留めておくこと。
きせ
縫い目から縫い糸が見えないように、縫い目に対して片側を少しかぶせて折り目をつけた部分。この折り目をつけることを「きせをかける」という。
記念キルト
人や場所、出来事などを記念するために作ったキルト。
切り込み
凹みや曲線をきれいに見せるために、縫い代などにハサミで切れ目を入れること。
キルティング
表布、キルト綿、裏打ち布の3層を一緒に刺し縫いすること。
キルティングビー
キルトを作るための集まり。昔は、友人と顔を合わせたりおしゃべりを楽しむ社交場でもあった。
キルト綿
表布と裏打ち布の間にはさむシート状の綿。
ギャザー
ぐし縫いまたはミシンのギャザーステッチなどで縫い、糸を引き絞って細かいひだを寄せること。
ぐし縫い
表裏同じ針目(約0.2cm)で2枚の布を縫うこと。
口布
バッグやポーチの袋口につける布。
クリブキルト
ベビーベッドのサイズで作る幼児のためのキルト。
クレイジーキルト
土台布やキルト綿に好みの大きさ、形の布片を自由に縫いつけていく手法。ヴィクトリア朝時代には、ベルベットやシルクなどの上等の布を使い、縫い目やピースに刺繍を入れた豪華なクレイジーキルトが流行した。
ケーブルキルティング
何本かのコードをひねった、または絡み合うようなデザインのキルティング。
コーディング
平行に縫った縫い線の間に綿コードや毛糸を通し、ラインを際立たせる手法。トラプントやブティの技法。
コンフォートキルト
悲しみや落胆を和らげてもらうためのキルト。大変な状況にある人のためにボランティアが作り、北米では被災地の人々や児童保護施設などに贈っている。
コンテンポラリーキルト
伝統的デザインにこだわらず、自由に作ったキルト。昔のキルトに対して、現代に作られたキルトをさすこともある。
さ行
サッシング
ブロックとブロックをつなぐ細長い布。ラティスともいう。
サマーキルト
キルト綿をはさまず、表布と裏打ち布だけで仕立てたキルト。
サンプラーキルト
異なるパターンのブロックで作ったキルト。サンプル(見本)に由来している。
ジェリーロール
アメリカのメーカー、modaの製品で、6.5x110cmの細長くカットした布を約40枚重ねて巻いたもの。カラフルな色合いと形状がロールケーキのように見えることから、この名がついた。
シグニチャーキルト
多くの人のサインを集めたキルト。通常、一つのブロックに一人のサインが入り、友達への贈り物や、何かを記念して作られたもの、資金集めを目的としたものなどがある。
実物大型紙
実物の寸法で製図した型紙のこと。
しつけ掛け
本縫いをする前に、しつけ糸で仮に縫って固定すること。
地直し
作業前に、生地の目の歪みや縮みを整えること。 コットンの場合、水通ししてからアイロンで地直しするとやりやすい。
シャドーアップリケ
アップリケモチーフを仮どめした台布にオーガンジーのような透ける素材を上に重ね、モチーフの周囲をキルティングする手法。
印つけ
生地に印をつけること。
シンブル
西洋式のかぶせ型の指ぬき。このタイプの指ぬきは、主にキルティングや刺繍のときに使う。
スカラップ(の縁)
貝殻を並べたような連続した半円の波形の縁のこと。
スクラップキルト
端切れや残り布(スクラップ)で作ったキルト。
ステンシル
型染めのこと。模様を切り抜いた部分に染料や絵具をすり込む染色の技法。
ステンドグラスキルト
土台布にモチーフを重ね、モチーフをバイアステープで縁取る手法。出来上がりがステンドグラスのように見えることから、この名がついた。
ストリップ
細長いテープ状にカットした布。ストリングともいう。ストリップを接ぎ合わせて作ったキルトをストリップキルト(ストリングキルト)と呼ぶ。
スラッシュキルト
布を何枚も重ねて線状にミシンで縫いとめ、いちばん下の布を残して縫い線の間をカットした後、洗って裁ち端を起毛させる手法。
セッティング
ブロックとラティス、ボーダーを組み合わせて配置すること。
接着芯
布に張りを持たせたり、補強、型崩れの防止のために、布の裏に貼る芯地。裏に接着剤がついていて、アイロンで接着できる。不織布と布製の2タイプが主流。
接着キルト綿
シート状になったキルト綿に接着剤がついていて、アイロンで布の裏に貼って使う。片面接着と両面接着の2タイプがある。
セルティックキルト
アイルランド由来の絡み合ったようなモチーフをバイアステープでアップリケする手法。
外表
2枚の布の表面が外側にくるように重ねること。
た行
裁ち切り
縫い代をつけずに型紙通りまたは、指定の寸法通りに布を裁つこと。
タブ
バッグやポーチなどにつけるつまみ布のこと。
タフティング
キルティングの代わりに、表布、キルト綿、裏打ち布がずれないように糸で留めること。タイキルトともいう。
玉止め
縫い終わりの時に、糸が抜けないように、糸の端に結び玉を作ること。
玉結び
縫い始める前に、針に糸を巻きつけて引き抜き、糸の端を結ぶこと。
地の目
生地のタテとヨコの織り目。布目ともいう。
チャレンジキルト
グループなどで、ある一定のルールに基づいて作るキルト。
チェーンピーシング
ミシンで縫うとき、ピースをひとつ縫うごとに糸を切るのではなく、続けていくつものピースを縫う方法。
チャームキルト
すべて違う布で作るワンパッチのキルト。スクラップキルトの一つ。昔はさまざまな布を集めるために、友達や親戚だけでなく雑誌などを通じて布を交換した。
チンツ
チンツとは、ヨーロッパで産業革命後にインドの模様を範として多色でプリントされた布。表面に光沢があるのが特徴で、更紗とも呼ばれる。
出来上がり線
完成したときにいちばん外になる縫い線のこと。
土台布
アップリケや布に縫い付けて作る手法で土台になる布。
トラディショナルキルト
伝統的なパターンや技法を使って作るキルト。
トラプント
キルティングをした部分の裏打ち布側から綿や糸を通してキルティング模様を際立たせる技法。
共布
同じ生地を使用すること。
ドールキルト
人形用に作られた小さなキルト。
な行
中表
2枚の布の表面を内側にして重ね合わせること。
縫い切り
布端から布端まで縫うこと。
縫い代
布を縫い合わせるとき、縫い線から裁ち端までの表に出ないで縫い込まれる部分。縫い線から0.7~1cm程度の縫い代をとるのが一般的。
縫いどまり
印まで縫うこと。
布目
生地のタテとヨコの織り目。地の目ともいう。
は行
バイアス地
布目(地の目)に対して斜め45度で裁断した布のこと。
バイアステープ
布をバイアス方向でテープ状にカットした布のこと。布が伸びるので、縫い代の始末や曲線のアップリケなどに使われる。
バインディング
キルトの縁を始末すること。バイアステープや布で縫い代をくるむのが一般的。
パイピング
バッグやポーチなど、小物の縫い代をバイアステープや裏打ち布でくるんで始末すること。
パターン
ピーシングやアップリケで作るブロックのデザインのこと。
パッチワーク
布片をつなぎ合わせること
ハワイアンキルト
折りたたんだ布をカットしてモチーフを作り、それをアップリケしたキルト。モチーフはハワイの植物をイメージした デザインが多く、モチーフの周囲をエコーキルティングで仕上げるのが特徴。
パフ
タックを寄せた配色布と土台布を縫い合わせ、内側に綿を詰めて膨らみを持たせる手法。
はめ込み縫い
3枚のピースの辺が接する部分をカギ状に縫うこと
半返し縫い
ひと針進んで半針返しながら縫う縫い方。
ピーシング
ピース同士を中表に重ねて縫い合わせること。
ピース
ブロックを構成する小片。
ファットクオーター
1mの布を縦横十字に等分して切った布。110㎝幅の布の場合は、1枚が50cmx55cm になる。
フェザーキルティング
羽を模したキルティング図案のこと。
フィードサック
1930年代から50年代に作られた飼料や穀物を入れる布袋のこと。本誌では飼料用袋布と表記している。
ブティ
フランスの手法でトラプントと似ているが、キルト綿を入れずに繊細に出来上がるのが特徴。表布と裏布を重ねてデザイン線上を細かく縫い、縫った模様の内側に綿や糸を入れて図案を浮き立たせ、陰影をつける。
フリーモーションキルティング
ミシンキルティングの一種。図案を描かずに自由な模様を描く。
プレスキルト
キルト綿に直接ピースを縫いつける手法。
プレーリーポイント
三角に折った布を少し重ねながらすき間なく並べて作る飾り。作品の縁に使われることが多い。
フレンドシップキルト
友達や同じ地域・組織の仲間が作ったブロックをまとめたキルト。通常、ブロックには作り手がサインを入れ、結婚や卒業、引越し、何かの節目などを記念して作られることも多い。
ブローダリーパース
大きめなプリントの柄を切り抜き、ブランケット・ステッチやまつり縫いで縫いつける手法。
ブロック
キルトの表側を構成する単位。主に正方形で、ピースを縫い合せたものやアップリケをしたものがあり、これを接ぎ合わせて一枚のキルトに仕上げる。
フープ
キルティングする際にキルトを張る道具。刺繍枠を大きくしたようなもので、さまざまな形状のものがある。
ペーパーライナー方式
布の内側に型紙を入れ、周囲の縫い代を折り込んでしつけ掛けをかけたピース同士を巻きかがりでつなぐ手法。角がきちんと出るので、きれいに仕上がるのが特徴。英国式ペーパーピーシングともいう。
ペーパーファンデーションピーシング
パターンを写した台紙の裏に直接配色布を縫いつけていく手法。
ポジャギ
包むという意味の、李王朝に栄えた韓国の伝統手芸。
ホールクロスキルト
ピーシングやアップリケをしていない一枚布を3層にし、キルティング図案のみで構成するキルト。ホワイトキルトとも言う。
棒通し
完成したキルトを飾るときに棒を通す布のこと。キルトの裏側上部に縫いつける。
ボルチモア・アルバムキルト
19世紀中ごろにアメリカ、メリーランド州ボルチモア周辺で流行した独特なアルバムキルト。ブロックごとに異なるデザインの手の込んだアップリケがほどこされているのが特徴。
本返し縫い
ひと針ずつ返しながら針目の間をあけずに縫う縫い方。
ボーダー
キルトトップの周囲につける額縁状の布。
ま行
巻きかがり
2枚の布端をすくいながら、糸を布に巻くようにして細かくかがる縫い方。ぺーパーライナーやポジャギなどで使われる。
まつり縫い
縫い代を内側に折ったときの折り山をすくって、下の布にとめる縫い方。アップリケやバイアステープを縫いとめるときや服の裾上げなどで用いる。
マチ
袋物などでゆとりをもたせるために厚みを加える側面の部分、またはそこに補う布。
見返し
衣服の前端、襟ぐり、袖ぐり、バッグの口の内側につける布。布の端が表に見えないようにしたり、補強したりするためのパーツ。
水通し
布を裁断する前の事前準備。水洗いをすることで地直しをして縮みを防ぎ、糊がおちて縫いやすくなり、色落ちを防ぐこともできる。水か薄い洗剤液で手洗いまたは洗濯機の弱水流で洗ったあと、軽く脱水をして陰干しをする。木綿は生乾きのうちにアイロンをあてて布目を整える。
メダリオンキルト
中心のモチーフを何重かのラティスで囲んでいくキルト。
モダンキルト
トラッドパターンまたは、自由な幾何学模様にデザインカラーの無地やプリント、白、黒、グレーといった無彩色をファッション感覚で組み合わせて作るキルト。
モラ
パナマのクナ族の民族衣装に使用される伝統手芸。原色の布を何枚も重ねて模様の形にくり抜き、まつりつけて作る。
や・ら・わ行
指ぬき
針のあたりや滑りを抑えるために、中指にはめて使う道具。指を保護する目的もある。指輪型のものはピーシングで、かぶせ型のものはキルティングで使うことが多い。
ユニット
2つ以上のものをつないだ「かたまり」。
用尺
作品を作る際に必要な生地の量のこと。キルトダイアリーでは、巾×長さで表示している。
ヨーヨーキルト
円形の布の端を織り込んで周囲を縫い、ギャザーを寄せた丸いモチーフをつないだもの。サフォーク・パフともいう。
ラウンドロビン
グループのメンバーの間で作品を回しながら、あらかじめ決めたルールに基づいて各自が手を加えて一つの作品を仕上げるもの。グループキルトの一種。
ラティス
ブロック同士をつなぐ細長い帯状の布のこと。サッシングともいう。
リバースアップリケ
配色布を重ねて一番上の布を切り、縫い代を織り込んでまつることで模様を表す手法。モチーフが小さい時や深みを出したい時に適している。
ループ
布、糸、ひもなどで作った輪のこと。
ルーラーワーク
定規を使ってキルティングをするテクニック。元々はロングアームミシン(大型のキルティング専用ミシン)で行われていたが、最近では専用の押え金が発売されて家庭用ミシンでもできるようになった。
わ
布を半分に折ったときの山折りの部分。型紙に「わ」とある際は、「わ」に折り目を合わせて布を裁つ。