星のキルトはアメリカでは特別に人気があります。星条旗のモチーフでもあるので当然のことでしょう。
モダンキルトの世界で人気上昇中のビクトリア・フィンドレイ・ウルフの描く星は、キルトからはみ出さんばかりのビッグなスーパースターです。
Mr.Swirl E.Bones 243╳243cm Victoria Findlay Wolfe Quilted by Shelly Pagliai,2015
娘のハロウィーン好きに触発されて制作したキルト。
カンザスシティにキルト指導に出かけた時に見つけたガイコツの生地パネルを生かすべく１年考えてから制作をスタートした。
八角星を構成するダイヤモンドのピースにはガイコツだけでなくハロウィンを連想させる柄がちりばめられている。
星のパターンのキルトはアメリカだけでなく世界各地で作られてきたものです。宗教的な意味合いの強いものもあり、思い起こせば私が十代のときに「モーニングスター」と呼ばれるパターンのキルトをお葬式で見たこともありました。
私が星のキルトに惹かれるわけは、星がデザインの可能性をたくさん秘めたシェイプだということです。
身近なアメリカの伝統モチーフでありながら、変化をつけやすく、ピースに使う色で印象が変わります。特に大きな星を配したキルトは中心からダイヤモンド型で放射状に広がるモチーフがとても力強い印象になり迫力があります。
モダンに星のキルトを作る場合には、モチーフの背景に生まれるスペース（ネガティブスペース）をどう使うかの工夫が大切です。
単なるデッドスペースにならないように、モチーフの星を引き立てるキルティングデザインを決めることがポイントです。
思いついたままにキルトを作ると、どうしてもごちゃごちゃしたデザインになりがちです。
最初に計画を立てて構成を考えてから取り組むことがとても重要だと感じます。
シャープで際立つ、グラフィックなパンチを効かせた星のキルトに是非挑戦してみてください。
Star Power 203 ╳230cm Victoria Findlay Wolfe Quilted by Shelly Pagliai,2015
大胆な構図が映える星のキルト。
鮮やかで楽しいプリントを配して、きらめきが外側にどんどん広がっていくイメージで制作。
Victoria Findley Wolf New York,USA
キルト時間3号（2016年発行）掲載記事
